ポンチョは、ボタンをつけたままの着脱がおすすめです。つけた状態で着脱できる余裕があります。
ボタンは基本つけたままにしてください。ボタンを付け外しする手間がなくなり、ボタンが布から外れる事態を防げます。
正方形タイプと長方形タイプは、ボタンが計8ケ所ついています。円形タイプは、ボタンが計4ケ所ついています。
スナップボタンを外す場合は、スナップボタン自体を持って外してください。布を引っ張って外さないようにしてください。スナップボタンが外れたり、布が傷む場合があります。
もしボタンが布から外れた際は、元の位置におさめ、手で押し込んでください。手でつけられるタイプです。
布穴がよれたりして、元の場所につかない場合は、新たに穴をあけて、つけてください。
納品後に外れたり、欠損しても、対応はできません。
2023年12月に企画、1年かけて開発し、2024年12月に公開しました。
開発担当者が、数々の試行錯誤を経た、開発秘話をお話しします。
「ポンチョを思いつく」
ハッピィハッピを2006年から作り続けており、かんばん工房の看板商品だ。このノウハウで、新たなアイテムを作りたいと、ポンチョを思いついた!
ポンチョは、レインコートやウィンドブレーカーのように防水防風の機能を持つが、ファッションとして着られるアイテムだ。
オリジナルデザインならば、「ハッピ」と同じ用途の、販促・衣装・スタッフウェアといった役割にもなる。
「ハッピとの違い」
ハッピは前が開くため着用しやすいが、前側のデザインが分断される。
ポンチョは前側全体にデザインできるため、ロゴなどを中心に配置でき目立つ。
それぞれの利点に合った方を選んでもらえそう!
「フードの有無」
フードありだと、オシャレでカッコイイ。
フード無しだと、背中全体にデザインができる。
あり・無し、どちらも作ろう!
「どんな形にするか」
レインコート仕様で、手首からヒザまでの、長方形。
スポーツ仕様で、袖がなく腰下までの、正方形。
かわいいケープのような、円形。
多様な型があるが、用途的に、この3点に絞った。
正方形タイプ・長方形タイプ・円形タイプ、各フードあり・無しを、選べる、6タイプに決めた!
「巾着も作ろう」
同じデザインの袋があれば、もっと嬉しい。
巾着も一緒に作ろう!
そうして、企画書を提出したのは、2023/12/1だった。
「型づくり」
おおまかな形は決まった。サイズを決めるため、ミシンに向かう。
普段のハッピ製作で出た白いハギレを使って、何度も縫う。
フリーサイズのため、身長によっての着用具合を確かめる。
昇華転写の担当者と打ち合わせを何度も行い、サイズの確認を行う。
「ネックラインの600mm」
フリーサイズで作るため、ネックラインは帽子を参考にした。
帽子の大人のフリーサイズは約54~60cm程度。
そこで、ネックラインは円周600mmとした。
それでも、お相撲さんのような大柄な方には、頭が通らない場合がある。それはサイトにしっかり掲載しよう。
「フードの型に難航」
フードは厄介だった。いろんな見せ方があるのだと、型作りをして分かった。
フードのシルエット、ネックラインの形、前の合わせ具合。ほんの数ミリ違うだけで、シルエットが変わる。
(1)サイズを決める。
(2)紙に、アウトラインを手書きするか、印刷した上で、はさみで切り、紙型を作る。
(3)紙型を布にあて、布にアウトラインを書き、布を裁断する。
(4)ミシンで縫う。
(5)着用して具合を見る。
(6)修正点を割り出す。
これをミリ単位で調整し、繰り返すこと、12回。
理想のフードを作り上げた。
「フードのこだわりポイント」
フードは、かぶらずに着ることの方が多い。
後ろから見た時に、フードの内側がだらんと見えるのは、カッコ悪い。
フードをおろした時に、内側が見えにくいようにした!
かぶった時も、おろした時も、カッコイイシルエットに。
首元の重なりは、程よい合わせ具合に。
ネックラインは、フードなしでもキレイに。
縫いやすさも配慮した。
「スナップボタンの位置」
それぞれの型の、どの位置につけるか。
着た状態でも手が届き、必要な数を検討し、
正方形・長方形は4か所。円形は2ケ所にした。
スナップボタンではなく、縫い付けてもよいかもしれない。
だが、スナップボタンがあることで、自由度が上がる。
正方形・長方形の場合は、前後のボタンを掛け違いにすることで、リュックサックをしょっていても着られる。
着せてあげることもできる。
「スナップボタンの外し方」
スナップボタンを布を引っ張って外そうとすると、布が傷んだり、ボタンが外れることがあった。
これを踏まえて、お客様には、できるだけボタンを外さず着脱をおすすめしよう。
「縫製も難しいけど、実現!」
縫製は、いつもハッピ等を縫製いただく、近くのパートナー会社へお願いする。簡単なサンプル作りは社内でできるが、ウェアは熟練の縫製力が必要だ。
縫製担当者さんと、具合を確かめ、サイズの微調整を行う。
円形のアウトラインは、正円ということもあり、かなり難しい。
慎重に整えながら縫う必要がある。こういった細かい点が仕上がりに出る。ハッピで折り紙付きの縫製担当者さんのおかげで、ポンチョが実現できた!
「昇華転写による縮小にご用心」
昇華転写(しょうかてんしゃ)という印刷方法で、デザインを布に転写する。デザインを反転し、転写紙に印刷した上で、布に熱転写するという工程だ。
熱転写すると、布が縮む。この縮み具合が一定ではないのだ。約200度もの温度をかけるので、サイズが大きくなるほど比例して縮む。
昇華転写担当者の経験上、1mで1cm縮むのが目安。
だが、熱転写機の温度の具合、当日の気温・湿度、布の種類、デザインによるインクの濃度、同じ条件は無い。
そのため、データ作成は、少し大きく作り、幅をもたせている。それでもサイズ通りになることは、前途の通り難しいため、サイトに記載させて頂いている。
ポンチョの基本生地「タフタ(撥水生地)」で、何枚かサンプルを作成した上で、塗りだしも決めた。
縫製にも必要な縫い代部分にもなるので、データ作成時には塗りだしの範囲までしっかりデザインをしよう。
お客様へ アイロン・乾燥機にご用心!
熱転写はアイロンによっても起こります。 昇華転写したポンチョに、高温でアイロンをかけると、 再び転写して、色抜けしてしまいます。 「アイロン台にプリントしちゃった!」ってことになります(経験談)。 アイロンは低温で当て布をしてかけてください。乾燥機にはかけないでください。
「マネキン仲間入り」
2024年6月にサンプルが縫いあがり、撮影をしたが、ここで問題が。
当社にあるのは、胴体のみの、かなり使い込まれたマネキンさん。このマネキンを、お千代さんと呼ぼう。
ポンチョは身丈が長いし、フードがあるし、お千代さんでは、キレイに撮れない。
そこで、全身マネキンを決意。
6月に仲間入りしたのが、「婦人・紳士」の2体!
身長は、婦人175cm・紳士180cmで、シュッとしたお二方。
婦人はカレンさん、紳士はトールさん、と呼ぼう。
腕の可動域は、人のようにいかないが、腕が外れるので、Tシャツなどは、着用してから腕を付ける。
ポンチョは、スナップボタンが外せるので、腕を外さず、着脱させることができた。
全身あるおかげで、フードをかぶった感じなど、着用イメージが伝わりやすい写真が撮れた。
もちろん、実際の人間が着用している写真や動画も撮りたい。社内の女性の協力で撮影できた。なかなかモデルになって下さる方がいないので、とても助かった。
「2024年12月公開」
写真や動画の素材を撮り、動画編集しサイトを作り、やっと公開できるまでになった。1年が経過していた。
2024年12月、お見せできて、一安心。またこれからお客様の事例をもとに、改善していこう。
どうぞよろしくお願いいたします!
ポンチョのサンプルをデザインした中で、「これは失敗だった!でも、こうしたらよくなった」、という経験談をお話しします。
お客様のデザインの参考にしてください。
2024年の大河ドラマ「光る君へ」で、「十二単」をたびたび見る機会があった。
実際に着ることは難しい十二単。ポンチョで、再現しようと、デザインした。十二単には、様々な模様や、重ねの色合わせなど、素敵なものばかり。
最初にデザインした赤紫の十二単は、着た時に、ポンチョのひだが体の幅よりせまく通るため、ウエストは部分が広すぎた。
体の幅よりせまくデザインしないと、実際に着た感じにならない。
それを修正したのが黄色の十二単。
袖を通すとき、わくわく。気軽に十二単気分が味わえて嬉しい。
<ポイント>
気軽に着脱できるので「長方形タイプ・フード無し」は、衣装にもおすすめです。
着ぐるみのようなデザインもできそうですね。
長方形タイプは、体の側面のひだによって、デザインが見えにくくなるので、柄の配置は幅300mmまでがおすすめです。
長方形タイプの、大きさを生かして、背中に大きなロゴをドーンと配置。読みさすさよりも、大きく見せたいデザインを優先。
前面はシンプルに、背面はカラフルに、前面と背面それぞれのカラーをチラ見えさせつつ、座ると踏んでしまう部分にはロゴ等を入れないようにした。
<ポイント>
ロゴを踏んでしまうのは避けたいですよね。
長方形タイプは長いため、座ると背面の下方が見えなくなります。
ウエストより下には、重要なデザインを入れない方がよいです。ウエストより下には、重要なデザインを入れない方がよいです。
正方形タイプは、袖がなく、腰下丈で、運動にピッタリ。
「フードなし」方を最初に作ったが、このデザインが失敗だった。
ポンチョをデザインする時、データ上は、展開した状態で作る。
前面が下、背面が上で逆さの状態だ。
全体が一面にあるので、前面に配置したロゴだけでよいと思ってしまった。着用すると、背面に何もなくて、寂しい。
それをふまえて作ったのが、「フードあり」の方のデザイン。
フードを下ろしても隠れない位置に、イラストを置き、後から見てもデザインがあるようにした。
<ポイント>
デザインする際は、上下を逆にして、前面・背面を正位置でみながら作ってください。
印刷して、肩で半分に折ってみるのもいいです。
フードで隠れる部分に重要なデザインを配置しないようご注意ください。
正方形タイプ(ランニングの柄)と、同時進行で失敗をしたのが、アニメのポンチョ。
イラストを前面に大きく配置したデザイン。
こちらも「フードなし」の方を最初に作り、前面だけに配置してしまった。背面は柄のみとなり、さびしい感じになってしまった。
これを踏まえて、「フードあり」の背面には、フードでかくれる位置と、体横のひだを避け、背中側一色線でロゴとイラストを配置した。
やっぱり円形は、きれいなドレープが広がって、どこから見てもカワイイ!
<ポイント>
着用する方の座高によっては座ると、背面の下方が見えなくなります。ウエストより下には、重要なデザインを入れない方がよいです。
ロゴや文字を配置する際は、ひだがよりにくい、「正面の胸の部分」、「背中の中心部分」がおすすめです。
巾着は、ヒモで口を閉じるため、上部にシワがよる。
ロゴを上部に配置すると、シワがよって見えなくなった。
ロゴ等は、巾着の中心か、下寄りの配置が、見やすい。
<ポイント>
上部のシワは、上から約70mmの位置が目安です。
ロゴや文字を配置する際は、それより下寄りか、中心の配置がおすすめです。
また、巾着のヒモは、どちら側がよいですか。それによってデザインの配置が変わるので、仕上がりイメージを考えてデザインしてください。
ポンチョのデザインを活用すれば、おそろいで素敵です♪
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